5問免除項目です。建物の構造に関することを中心に学習します。
建物
建物の構造や材料の性質などの知識が試験では問われます。
建築物の構造計算
安全性の確認の為、建築物は構造計算の必要があります。
- 高さ60m超の全ての建築物は構造計算によって国土交通大臣の認定を受ける必要がある。
- 高さが60m以下の建築物のうち、下記の建築物は構造計算による安全性の確認が必要である。
木造建築物 | 木造建築物以外 | |
階数 | 3階以上 | 2階以上 |
延べ面積 | 500㎡超 | 200㎡超 |
高さ | 13m超 | — |
軒の高さ | 9m超 | — |
建築物の構造
建築物の材料・材質によって建築物の構造は様々です。
木造
建築物の骨組みが木材です。
木材の特徴として次のようなものがあります。
強 | > | 弱 |
乾燥 | > | 湿潤 |
心材(内側) | > | 辺材(外側) |
繊維方向 | > | 繊維に垂直方向 |
木造構造は上記の特徴を生かしながら様々な工法があります。
- 木造軸組工法
柱、はり等で骨組みされた伝統的な工法です。
建築基準法により規定されています。
土台 | 土台は基礎に緊結しなければならない。 |
はり、けた | はり、けた等の横架材には、その中央部附近の下側に耐力上支障のある欠込みをしてはならない。 |
筋かい | 筋かいには、欠込みをしてはならない。 ただし、筋かいをたすき掛けにするためにやむを得ない場合で、必要な補強を行なつたときは、この限りでない。 |
通し柱 | 2階以上は、原則、通し柱としなければならない。 |
地面から1m以内の 柱・筋かい・土台 | 柱・筋かい、土台のうち地面から1m以内の部分には防腐措置、しろあり対策をしなければならない。 |
- 枠組壁工法(ツーバイフォー工法)
2×4インチなどの木材の枠組みと構造用合板を合わせた工法
- 集成木材工法
接合部に専用金物、構造部材に集成材(板を重ねた木材)を用いた構法です。高強度な構造体をつくることができ、体育館などに用いられる工法です。
鉄骨造
鉄骨造とは、骨組みに鉄骨を用いた建物のことです。マンションやアパート、ビルといった比較的大きな建物に用いられることが多いのですが、一戸建てでも、鉄骨造のものが数多くあります。また、工場や倉庫などにもよく用いられます。
耐火性があまり高くありません。熱の上昇で鉄骨が柔らかくなり、強度が低下するためです。
鉄筋コンクリート造
鉄筋コンクリート造とは、文字通り鉄筋とコンクリートを組み合わせた材料を構造としています。
鉄筋コンクリート造の特徴として次のようなものがあります。
- コンクリートの圧縮強度は引張強度より大きい(約10倍)
- 常温において鉄筋とコンクリートの熱膨張率はほぼ等しい。
- 鉄筋コンクリート造は耐火、耐久性が高い。
- 骨材、水および混和材料は、鉄筋を錆びさせ、またはコンクリートの凝結および硬化を妨げるような酸、塩、有機物または泥土を含まないようにする必要がある。
- 鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げてコンクリートから抜け出ないように定着させる必要がある。
- 柱は、主筋は4本以上とし、主筋と主筋周りの帯筋とは緊結する必要がある。
- 鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さ(鉄筋の表面とコンクリートの表面の最短寸法)は、
①耐力壁以外の壁又は床にあつては2㎝以上
②耐力壁、柱又ははりにあつては3㎝以上
とする必要がある。
鉄骨鉄筋コンクリート造
鉄骨鉄筋コンクリート造とは、鉄骨造と鉄筋コンクリート造の両方の良い点を合わせた構造です。
鉄筋コンクリート造に比べて耐震性等に優れており、高層ビルなどに用いられます。
建築物の構造
- ラーメン構造
柱とはりで建物の荷重を支える構造形式で、鉄筋コンクリート造、鉄骨造で用いられ、中高層マンションで用いられることが多いです。
- トラス式構造
三角形に組み合わせた構造で、変形しにくくドームなどの大空間や橋の架構に用いられています。 - アーチ式構造
アーチ型(円弧型)で組み合わせる構造です。 体育館などのスポーツ施設のように、大空間を必要とする建築物に用いられています。 - 耐震構造
建築物の強度を上げ、地震の揺れに対して耐久力を高めた構造です。 - 免震構造
構造物の間にゴムなどの揺れを減らす素材を入れて、地震の揺れを抑える構造です。 - 制震構造
ダンパーなどを設置し、地震の揺れを制御する構造のことです。
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